しみの種類と治療方法しみの種類と治療方法
一般的にしみと呼ばれるものには様々な種類の色素病変が含まれ、それぞれ治療方法が異なります。まずは、診察で、しみの種類を診断し、どのような治療が良いかを相談しましょう。当院では、レーザー照射、フォトフェイシャル、トレチノイン、ハイドロキノン、イオン導入などの中から、お一人ごとに最も良いと思われる方法を考えて計画しております。いずれの治療も、診察を受けていただいてから、治療の予約を致します。
なお、肝斑がある部位にレーザーやフォトフェイシャルを行うと、肝斑が濃くなります。このため、肝斑のある方は、先に肝斑の治療を行います。レーザーやフォトフェイシャルによる治療を希望されても、すぐに行えない場合がありますので、あらかじめご了解下さい。
Qスイッチ付き アレキサンドライトレーザー
しみの治療では最も強力な治療です。部分的な濃いしみにお勧めしています。
治療後は軟膏処置とガーゼ保護を行います。
レーザー治療の流れ
- 治療予約時間の1時間前までにメークを落とした状態で来院し、記録の写真を撮ります。
- その後、表面麻酔の処置を行います。
- 予約時間になりましたら、レーザー室で準備を行います。お声をおかけしますので、お待ち下さい。
- レーザー光が目に入らないように、アイシールドを載せます。
- レーザー照射中は、レーザーによる衝撃を感じます。また、目を閉じていても光を感じることがあります。
アイシールドをしていても、しっかり目を閉じていて下さい。 - レーザー照射中、痛みがつらい場合は、遠慮なく声をかけて下さい。
- レーザー照射後は、皮膚の状態をチェックし、速やかに冷却します。
- 鏡を見ながら、自宅での処置を説明します。
- 軟膏を塗布し、ガーゼで照射部を覆って終了です。
- 帰宅後も、レーザー照射部のほてりは、保冷剤などで十分冷やして下さい。
よくあるご質問
- レーザーは痛いですか?
- レーザーを皮膚に当てると衝撃による痛みを感じます。このため、表面麻酔の処置を行ってからレーザーを照射します。
- レーザー後に化粧はできますか?
- レーザーを照射した後の皮膚は、レーザーの熱エネルギーでやけどと同じような状態になっています。塗り薬をぬって、保護しておく必要があるので、治療した部分に化粧はできません。当院では、治療後2週間は保護してもらうようにしていますので、通常通りのメークは難しいです。治療した部分のほかは、ファンデーションなどを使ってもらって構いません。
- レーザー治療ができる時期は?
- 治療後のスキンケアでは、紫外線防御が大切です。また、治療部をガーゼや絆創膏で保護していただくため、暑い時期は辛いと思いますので、特に事情がなければ、紫外線の弱まった秋から春先までの期間に治療を受けていただくことをお勧めしています。
- 1回の治療でとれますか?
- しみの色や皮膚の状態により、1回の治療ですべて消えない場合もしばしばあります。再度レーザー治療を行う場合は、最低半年間は皮膚を休めてから行います。
レーザー施術前、後のケア
- レーザーは皮膚のメラニン(黒い色素)に反応します。肌の色としみの色に差があるほうが効果がでやすいです。レーザー治療を希望される場合は日焼けをしないよう気をつけて下さい。
- レーザー照射部にメイクアップ化粧品や日焼け止めの成分が残っていると、治療の妨げになり、効果不十分の原因となります。治療前にはしっかりとメイクを落として、ノーメイクの状態で来院してください。
- 治療後にほてった感じやヒリヒリ感がある場合は、保冷剤などで優しく冷やして下さい。
- レーザー照射後に、肝斑が一時的に濃くなることがあります。肝斑と老人性色素斑が同じ部位にある場合は、レーザー治療の前に肝斑の治療を行います。
- アートメイクをしている部位にレーザー光があたると、変色や、やけどをすることがあります。事前に必ずお申し出下さい。
- レーザー照射後に生じる痂皮(かさぶた)が早く外れてしまうと、炎症後色素沈着が目立つ傾向があります。できるだけ長く治療部位を覆っておくよう、痂皮(かさぶた)を剥がさないようにしてください。
- レーザー治療後、痂皮(かさぶた)がとれた後の皮膚を日焼けしないように気をつけて下さい。冬でも、日焼け止めや、カバー力の高いコンシーラーなどを使用していただくようお願いします。
- レーザー治療後に、多くの場合は炎症後色素沈着が出てきます。炎症後色素沈着は一時的なものですが、色素沈着の濃さや、治まるまでの期間には個人差があります。多くの場合は、レーザー照射後3ヶ月目ごろに最も濃くなり、その後徐々に薄くなっていきます。
フォトフェイシャル
しみが気になるけれど、レーザー治療はできない、という方には、フォトフェイシャルをお勧めしています。レーザー治療に比べると、効果は弱いため繰り返し治療を行う必要がありますが、顔全体に照射するため全体的な改善が期待できます。フラッシュライトとRF(ラジオ波)を同時に当てることで、しみを薄くするのと同時に、ハリ感の改善も狙います。
当院では、2−3回の治療でしみが薄くなることを目標としております。このため、フォトフェイシャル後に、痂皮(かさぶた)が表面について、一時的にしみが目立ちます。痂皮は、とれるまでおよそ1週間かかりますが、自然にとれるのを待って下さい。この間もメークはできます。
皮膚の中に金属が入っているとRFによりやけどを起こす場合があります。フェイスリフトで金属製の糸を使っている方はフォトフェイシャルを受けていただくことはできません。また、熱を加えるため、顔、首に注入療法を受けた方、異物が入っている方はうけていただくことができません。歯科矯正中の方、アートメイクをしている方、金属を含む薬での治療歴がある方は事前にお申し出下さい。
フォトフェイシャルのながれ
- 予約時間の10分前までに来院下さい。
- お部屋の準備ができましたら、お声をおかけします。
- メークを落とし、洗顔してから、記録の写真を撮ります。
(メーク落としと洗顔料は、当方でも用意がございます。) - フォトフェイシャルの間は、ランプの光を目に入れないように、アイシールドをつけます。
- 皮膚の状態を診察し、施術条件を決定します。
- 施術部に冷やしたジェルをぬります。
- テスト照射し、皮膚の状態を確認してから、施術を行います。
- しみのある部位や、濃い色の産毛が生えている部位では、痛みを感じることがあります。
つらいときには、遠慮なく声をかけて下さい。 - 皮膚の反応を確認して終了です。
- ほてりがおさまったら、メーク可能ですので、お化粧直しをご持参下さい。
なお、当方で基礎化粧品のサンプルを用意しておりますので、ご希望の方はお試しいただけます。
トレチノイン、ハイドロキノン
自分でできるスキンケアでしみを薄くしたい、という方にお勧めする治療です。3ヶ月間のケアののち、すこしお休み期間を入れて、また3ヶ月間ケアをする、というサイクルで治療を勧めていきます。
トレチノインを塗布すると、皮膚の細胞の入れ替わりが活発になります。このため、使用を始めて1〜2週間は、皮膚が乾燥し、赤くなったり、ヒリヒリしたり、かゆみが出たりします。塗る量を加減しながら、徐々に慣れていきます。皮膚が慣れてくると、くすみがとれ、小じわが目立たなくなり、皮膚が軟らかく滑らかになります。トレチノインと同時にハイドロキノンを使用することで、美白効果が高まります。
トレチノイン塗布を始めて1〜2週間の乾燥が強い時期には、メークのノリが悪くなり、粉をふいたようになることもあります。
トレチノインは、強力な作用をもつビタミンA誘導体であるため、妊娠中、妊娠を希望されている方には使用できません。
トレチノインは、光に不安定なため、直前に院内で調合しております。冷暗所に保存し、1ヶ月を目安に使い切ってください。
ハイドロキノンは、かぶれることがあります。特に、ヘアカラーでかぶれたことがある方は、ハイドロキノンにもかぶれることがあるので、お勧めできません。
トレチノイン、ハイドロキノンを含めたスキンケア製品のセットも用意しております。